先日の世界手技療法会議で、
東京都、神奈川県、岩手県、北海道の
先生たちの研究チームの研究の発表もありました。
「痛みの軽減は社会的損失削減に寄与するといえるのか?
―筋骨格系の疼痛による損失コストの研究―」
より以下、ご紹介します。
私たちの仕事は、徒手療法の施術の結果、
痛みの軽減や運動機能の回復でQOL(クオリティオブライフ)の向上ができて、
健康増進の観点からもとても有益なのですが、
「じゃあ、それってお金に換算すると
どのくらい役に立ってると言えるの?」
と問われると答えにくい、という課題があります。
なので、じゃあ実際のところ、
痛みを減らすために日本では
いくらぐらいのお金が使われているのか?
痛みによってどのくらいの損失が生じているのか?
ということを調べてみました。
調べた方法は、既にある研究論文から
日本の医療保険制度を使って算出された
筋肉や骨格由来の痛みにかかっている損失金額を
評価検証する、というものです。
結果。
職業性腰痛の
日本の年間医療費は821.4億円(2011年)。
痛みがあることによって、
出社しているけど労働生産性が低下している状態の
損失金額は、年間1人あたり88287円。
ということがわかりました。
慢性的に痛みがある人の6割が特に治療をしていない、
という研究もあり、
日本の労働生産性は他国に比べて結構悪い可能性も。。。
とにかく、痛みを軽減することが
社会の役に立つことは間違いないな、
という認識を新たに、これからもより多くの人の
身体のケア、QOL向上、健康増進の
お役に立っていきたいと思います。